Blog
2024/10/09 14:09
いつもご覧いただきありがとうございます。
本の話ではありませんが、電子工作についてです。
以前ブログで「ブレッドボード電子工作」の本を紹介しました。ブレッドボートは、手軽さとフレキシブルな使い方をするにはとても便利です。ここから更に電子回路製作を一歩進めるには、基板を作る必要があると思います。こつこつとユニバーサル基板で作るか、プリント基板を作って進めるかです。いずれにしても、はんだ付けは必要となります。趣味で電子工作を楽しんでいる方には、環境のことを考えて、鉛フリーはんだを選ぶか、または従来のはんだを選ぶか迷う方もいるかと思います。
従来の有鉛はんだの組成は、スズ(Sn)と鉛(Pb)で鉛が環境へ及ぼす影響が問題視され、鉛フリーはんだが登場しました。その組成はスズ(Sn)と銀(Ag)と銅(Cu)、スズ(Sn)と銅(Cu)になります。鉛フリーはんだは、有鉛のはんだに比べて溶ける温度が高くそれに適したはんだこてが必要です。有鉛はんだの溶ける温度は、183℃~で、鉛フリーはんだは217℃~※1です。
だいぶ前の話になりますが、実際に鉛フリーはんだを使ってみると、はんだが溶けるまでに時間がかかり、溶けてから基板のパッドと部品のリード間に流れ込まず(なじみにくい、ぬれ性が悪い)、慣れるまでに時間がかかりました。また、はんだこての温度が高いので基板に実装する部品に影響がないか心配もしました。当時は、専門の業者さんに依頼していましたので自分で行うことは少なかったのですが、実験や試作等を行う場合は、扱いやすい有鉛はんだを使っていました。
現在、有鉛はんだと鉛フリーはんだは、どちらも購入できますが、私自身、趣味で工作をする時は、有鉛のはんだを使用しています。個人で楽しむ電子工作でしたら環境への影響は少ないと思いますが、メーカーによっては有鉛はんだの取り扱いの終了を予定しているところもあるようです。そろそろ鉛フリーはんだに挑戦してみるのもいいかと思います。但し、はんだこては温度設定・管理ができるものを使いたいので購入しなければなりませんが。(店主)
※1成分により個相温度/液相温度は異なります。
Sn-3Ag-0.5Cu:個相温度(溶け始める温度)は、217℃。液相温度(完全に溶ける温度)は、220℃
Sn-0.3Ag-0.7Cu:個相温度(溶け始める温度)は、217℃。液相温度(完全に溶ける温度)は、226℃
(参考:https://www.hozan.co.jp/corp/r/r5005/)